合原ちひろの絵日記@鹿児島市

~清く まっすぐ おもしろく~

日常の中のジェンダーギャップその1(わたし×働くのこれからをデザインする3DAYS)

鹿児島県主催のキャリアアップセミナー”わたし×働くのこれからをデザインする3DAYS”の最終日は、荻上チキさんによる「日常の中のジェンダーギャップ」のお話でした。

鹿児島県 キャリアアップセミナー

この写真にある項目について、私が思ったことや考えたことを交えながら振り返ります。

ステレオタイプ、偏見、差別とは

ステレオタイプとは、あるカテゴリーの人にどういったイメージがあるのかという認知。(例)女性は〇〇だ。

偏見は、ネガティブな他者へのイメージに対する拒否的、嫌悪的、敵意的感情。(例)〇〇だから困る。

差別は、あるカテゴリーに対してネガティブに作用する行動や構造。(例)女性は〇〇だから△△しないと。

先頃の某元会長の発言を例にお話くださいました。ステレオタイプ、偏見、差別。考えて整理するときにこの分類をするとわかりやすいですね。

クリティカルマス(臨界質量)

学校や職場などの特定の環境で、少数派が一定の数に達した結果、その人達が「少数派であるが故の居心地の悪さ」を感じなくなること。

例えば20名程度が参加している会議で、女性が自分ひとりであったとき。

「女性としてどう思う?」と意見を求めら、「自分としては〇〇と考えているけれども、女性としてと問われると全ての女性の代表ではないわけですし、一人ひとり考えは違うわけで…」と悶々としたことは数知れず。

そういう経験が積み重なって、会議や打ち合わせに行ったときに、老若男女のバランスをチェックしてしまう癖がついています(-_-;)安心して発言できる場は大切です。

チキさんは、「相互作用的公正」についてもお話しくださいました。
相互作用的公正とは、他者から受ける扱いの質から生じる正義や公正の感覚です。

相互作用的公正の4つの基準として、
①誠実さ
嘘や隠し事をせず正直に対応したか
②正当化
説明がなされたか
③尊重
批判したりせず丁寧に対応したか
④礼儀
偏見にもとづく表現や場にふさわしくない発言を抑制したか
をあげられました。

また、「相対的剥奪」のお話も。
ざっくり書くと、相対的剥奪は、期待と現実のギャップで不満がつのること。個人レベルで言うと抑うつや不満に、集団レベルで言うと抗議行動や偏見につながります。

期待が高すぎると相対的剥奪が強まり、不信感や不満が高まりますが、期待が無さすぎても…ねぇ。今は夢や希望を描きにくくなっているように思います。

現代型セントリズム

セントリズムとは中心主義のこと。

これまでの社会でも、男性中心主義、白人中心主義、健常者中心主義などさまざまな中心主義があり、それに応答するものとして、男性中心主義に対してはフェミニズムなど、白人中心主義に対しては公民権運動など、健常者中心主義に対しては障害者自立運動などがあるとのこと。

”現代型セントリズム”とは、自分や他人に言い訳できるやり方で表出されるものだそうです。(例)差別するわけじゃないんだ、でも〇〇が努力もせずに文句ばっかり言っているのはずるいと思う。

あー。
この現代版セントリズムには思い当たるところがあります。

ここで示されたのが「ドリフト理論」と「中和の技術」。
ドリフト理論とは、非行に走る人は、非合法な文化に没入しているのではなく、非合法的な文化と合法的な文化を漂流しているとする理論です。

中和の技術とは、非行に走った人が自分のことを正当化するための5つの技術です。
①責任の否定
(例)自分がやりだしたのではない。
②危害の否定
(例)これは攻撃ではない。
③被害者の否定
(例)向こうも楽しんでいた。
④非難者への非難
(例)人のことが言えるのか。
⑤高度の忠誠への訴え
(例)必要な通過儀礼だよ。

さらに「公正世界信念」についてうかがいました。
公正世界信念とは、世界は公正で安心な場所であると信じていること。簡単に書くと、よい行いをしている人にはよいことが起こり、悪い行いをしている人には悪いことがおきると信じていることです。

これが強すぎると、被害に遭った人が被害を受けた理由を考え、被害者を責めてしまいます。

今までの社会も公正ではなく、先に書いたように何かしらのセントリズム(中心主義)を前提としてきました。

このような心理的なメカニズムを知った上で、一人ひとりが自分の偏りにも気づき、さらに自分の頭で考えて行動しようという心がけが重要だと思いました。

「日常の中のジェンダーギャップ」というテーマでのご講演でしたが、ジェンダーギャップ(男女の違いによるさまざまな格差)を考察する上で有用な知識を得ることができましたが、これを咀嚼して日常にいかすとなるともう少し時間がかかりそうです。

「ヒドゥンカリキュラム(隠された教則)」、「マイクロアグレッション」、「ストリートハラスメント」については、次のブログで。

ちなみに、キャリアアップセミナーの1日目はこちら↓

2日目はこちら↓

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