合原ちひろの絵日記@鹿児島市

~清く まっすぐ おもしろく~

講演「DVと虐待を考える」

オンラインで「DVと虐待を考える」を視聴。

DVと虐待 鹿児島市

原宿カウンセリングセンターを設立された信田さよ子さんによるご講演「DVと虐待を考える~いま家族で起きていること~」でした。

2020年の原宿カウンセリングセンターでの初診の3~4割程がDV関連だったとのこと。息子や娘からの暴力は表面化していないものの多く、また、アダルトチルドレンに関する相談では幼い頃に受けた虐待が隠れているそうです。←子どものときに受けた傷で親を触れずに介護できない等。

家族の暴力は同時多発的に起こります。
歳をとった親へは高齢者虐待、夫婦間ではDV、親から子へは虐待、子から親へは家庭内暴力。日常的に行われていると、暴力が暴力として見えなくなってしまう恐ろしさがあります。

DVと言うと「女性だってするじゃないか!」と言うのはたいてい男性であると信田さん。DVで命の危険があるのは女性の方が多く、殺されるのは9割方女性。肉体的な力の差は看過できません。

北京女性会議が開かれた1995年にDVという言葉が日本に入ってきたそうです。(私が高校一年生の頃) 第4回世界女性会議での北京宣言はこちら→第4回世界女性会議 北京宣言 | 内閣府男女共同参画局

それから四半世紀以上経ちました。
DVゼロどころか…(-_-;)

DVは発見が大前提。
(幼少時の被虐待歴とDV加害には世代間連鎖が見られるとのこと。)本人からの申告は、実際の半分以下だそうです。周りにいる人が気付くこと、相談機関につなぐことは重要!

父親がDVをしている家庭を例にあげられました。
「妻の子育てがなっていないから。言わなくても分かるだろ。」とDVをしている父親は野放し。責任をとらなくても特にペナルティが無いうえ、DVの子どもへの影響については関心がもてない。母親は、「子どもについての責任は母親にある」と言われ、思わされ、過剰な負担がある。子は、何かおこれば子自身に問題があるとして扱われやすい。

DVを目撃した子どもは、加害者にも被害者にも強い情緒的つながりを持っているため、アンビバレンス(相反する感情を同時に抱くこと)、混乱、非安全感、終わりのない感覚を持ち、発達障害と間違われやすいと。

兄弟がいる場合、それぞれに影響の受け方が異なります。

↑昨年は、マルトリートメントについての講演を拝聴しました。


PTSDは逃げてから数か月後に出てきやすいそうです。さまざまな問題は、安全な環境になって初めて出てきます。DVから逃げた後の周りの対応が非常に大切です。

子どもへの虐待は、目に見えやすく、命に関わる”身体的虐待”と”ネグレクト”、周りにいる人に見えにくい”心理的虐待(面前DVも含む)”や”性的虐待”があります。心理的虐待は、大人になってからその影響が出てくることがあります。

では、世代間連鎖を防ぐには?

信田さんは以下のことを挙げられました。
・育児の一極集中を避ける。
 →親以外に安心できる養育者がいるか。
・配偶者によるケアが受けられる。
・生育歴を振り返る。
 →カウンセリングや自助グループなどを通して、自分の癖や習慣(イメージ・認知・対人関係)を知り、修正するように習慣づける。

現在、DVについて唯一の安全策は”保護命令”。
しかし”保護命令”に至らない状況の方もたくさんいらっしゃいます。内閣府の調査では、DVを受けた男性の6割、女性の4割は誰にも相談していないことがわかりました。→今週の男女共同参画に関するデータ | 内閣府男女共同参画局

相談してさらに傷をえぐられるような対応をされると…とならぬよう、各種相談窓口の方々にはスキル向上に努めていただきたいです。と同時に、地域で暮らす私たち一人ひとりも気づき、つなげ、伴走できるように学び、動いていきましょう。

そんなことを想いながら拝聴した時間でした。

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