合原ちひろの絵日記@鹿児島市

~清く まっすぐ おもしろく~

地域防災とまちづくり

2022年10月23日(日)14時から、鹿児島市教育総合センター青年会館にて、鹿児島市安心安全推進員連絡協議会令和4年度全体研修会があり、講演と報告がありました。

このブログでは、関西学院大学教授/京都大学防災研究所客員教授の山泰幸先生によるご講演『地域防災とまちづくり』について書きます。

※後から自分が見直したいために書くので、ほぼ箇条書きです。

安心安全推進員 鹿児島市
■まちづくり
地域コミュニティという意味での”まち”は、見知らぬ者同士が何とか折り合いをつけ、交換・取引の場所である「まち」的側面と、地縁・血縁で結びついた者同士の付き合いがある「むら」的側面の両方をもっている。

「むら」には、わずらわしさと安心のジレンマ。「まち」には、自由と不安のジレンマがある。

「まちづくり」の難しさは、異質な2つのコミュニケーションをバランスよく並存させること。

さらに、地域防災を目指したまちづくりは、いつ来るともわからない災害に対して、事前から備えて協力しなければならないため、異質なコミュニケーションのバランスを取りながら、急にその配分を変えるという困難な作業になる。

■あいさつ
コミュニケーションの基本はあいさつ。
あいさつは、お互いの「人格」に敬意を払い、お互いの「存在」を承認し合う「相互儀礼行為」。

阪神・淡路大震災の教訓
公助の限界、自助の原則、共助の大切さ。
防災における地域コミュニティの重要性。→災害にだけ強いコミュニティはないが、災害に強いコミュニティは、防災活動以外でもコミュニティ活動のさまざまな面で強い。

■事前復興
①災害が発生した際のことを想定し、被害をできるだけ少なくするために、あらかじめ都市計画やまちづくりをすすめるもの。

②災害発生後、できるだけ迅速に復興に関する組織づくりや合意形成を進める必要がある。そのための手順や段取りなどを事前に明確化し、準備をすすめるもの。

③被災を想定し、地域住民が防災に限らず、地域全体の弱点を自ら発見し認識したうえで、その克服策を自ら考えて被災前から実行すること。

少子高齢化、過疎化する地域では、これらを「もう一つの災害」と見立てて、被災後の復興を視野にいれながら、同時に地域の復興を進める「二重の事前復興」の試みが求められる。

■コミュニティ力の指標
①それでもここで暮らしていかなければならない人々がいること。
②人と人との「関係」があること。
特に、神仏、自然、生活環境などを介した人と人との「関係」が生きていること。
③「関係の束」としての集団が複数・重なり合って組織され、活動していること。
④時と場所をわきまえていること。(共通の価値や規範がある)
⑤外部との適度な交流があること。
⑥伝統文化や文化遺産など、それぞれのコミュニティが大切だと思ってきた心の拠り所(シンボル)が守られていること。

前提:そこで食べていけること。

■地域防災とコミュニティづくり
コミュニティづくりは時間がかかる。気長に取り組む。
(・・・豚汁を食べているところは盛り上がっている)

祭りや地域行事は日常を離れた楽しみの時間であり、通常の持ち場を離れて参加するのでいい訓練になる。まちづくりがさかんなところは防災活動も進む。

地域防災のリーダーは、町内会長など、すでにいくつもの地域の役職を兼ねている場合が多いが、一人で抱え込まないことが大切。自分のためにも、地域の人材育成や組織継承のためにも、信頼できる仲間をつくり、人を動かすこと。

【自主防災組織運営のポイント】
①引継ぎを徹底すること
②自分の組織の特徴を把握すること
③地域の長老・重鎮など実質的なリーダーに協力を仰ぐこと(挨拶をすること)

徳島県東みよし町の法市集落の例→芸術祭(農村舞台)、ヘリポート、媒介的知識人の存在

■媒介的知識人
地元地域の内部と外部を媒介し、かつ有益な情報や知識、資金や人材などを外部から調達することができる、ある種の知識や技術を持った人材。(山教授がつくったことば)

こういう少し変わった風変わりな人物は”哲学カフェ”などに参加しがち。
 ↓

安心安全推進員 鹿児島市
山教授は地域の中でざっくばらんに話せる場として、”哲学カフェ”を開催していらっしゃるとのこと。否定はダメで、結論はないが、安心して話せるのが哲学カフェ。多様な価値観を理解するのに効果がある。

哲学カフェは”変人ホイホイ”ともおっしゃってましたw

■四面会議システム
1991年、鳥取県智頭町の山間過疎地域の活性化計画づくりの参加型ワークショップ手法として開発。

SWOT分析による現状分析
②四面会議図による計画案作成
③マネジメント・情報・人的資源・物的資源という4つの役割分担と時間軸を設定し行動計画案を作成
ディベートを通して行動計画案を作成
※担い手づくりのツールとして使える。

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鹿児島市では自主防災組織が数多く結成され、約94%の地域をカバーしているようです。→自主防災組織~自分たちの地域は自分たちで守る!~|鹿児島市

一方で、私が住んでいるあたり(谷山支所管内)の町内会加入率は約50%です。

地域防災とまちづくり。
他人事ではなく、誰かがしてくれることではなく、当事者意識をもって取り組んでいくべきことだと思います。

「昔は子育てしながらもちゃんと町内会活動をしていたのに」「子どもに習い事ばかりさせないで地域のゴミ拾いとかをさせてボランティア精神をつけさせないと」「高齢者にばかりいろんなことをさせるな」等々、攻撃的なYouメッセージで発言を耳にします。

それで話し合いは建設的なものになりますか。

時間がかかるけれども、しっかりと取り組んでいきたいですね。

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