2024年12月10日(火)に個人質疑&質問を行いました。その報告ブログです。
今回は「交通局バス事業と本市における交通政策について」。
今回の定例会で否決した第59号議案鹿児島市一般貸切旅客自動車乗車料条例廃止の件に関連する質問です。
まず、鹿児島市交通事業経営審議会より10月29日付けで発出された「鹿児島市一般貸切旅客自動車事業(貸切バス事業)の廃止について(答申)に関して伺いました。
①この答申で触れられている持続可能で安定的な運営に必要な人員は何人か
②大型二種免許資格取得制度に対する考え方、導入への見解
③運転士の給与引き上げ等の処遇改善や正規職員採用に向けた対応
④効率的な路線・ダイヤの見直しをどう図るのか
⑤北営業所内の民間委託路線の引き戻しの現状と12月からの7勤務相当の引き戻しに対する見解
⑥経営計画見直しの前倒し実施への見解
答弁:今年12月現在における必要な運転士数は、委託路線も含め、151人でございます。
お触れの制度(大型二種免許資格取得制度)につきましては、若い世代の運転士を確保するため、令和7年度に導入いたします。
運転士の処遇改善を行うとともに、令和7年度に向け、正規職員の選考試験を再開します。
市営バスの路線、ダイヤについては、本年度に導入したバス運行データ分析システムを活用し、7年度に見込まれる実乗務員数を踏まえ、効率的、効果的なダイヤ見直しを行い、7年度から実施いたします。
委託業者の運転士不足により生じている北営業所からの引き戻しは、現在の委託期間である令和4年度以降、5年度に1勤務、6年度は4月に10勤務、12月に7勤務でございます。
委託業者からの引き戻しは、基本的に認めない考えでありますが、欠便の恐れがあることから、契約に基づき、両者協議のうえ、やむを得ず受け入れたものでございます。
経営計画については、全会見直しから経営環境の変化があることから、前倒しで見直しを実施することを検討しております。
大型二種免許取得制度を来年度から導入することを明らかにされました。また、正規職員の選考試験を再開されるとのことですので、若い世代の運転士確保にご尽力ください。
自転車操業のような引き戻しの状況も分かりました。経営計画の前倒しにより、よりよい経営環境を創出し、経営改善が図られるよう要望します。
引き続き、本市における交通政策とバス事業について伺いました。
これまでも幾度となく経営計画は見直されてきましたが、どうも交通局の資産を処分することで鎬いできた感が否めません。もう切り売る資産もありません。バス事業については、財政収支や収益性で語り、判断することは、とうに限界がきていると感じられることから以下伺いました。
①鹿児島市交通事業経営計画における令和3年度と今日の経営環境の変化と違い(コロナ禍と運転士不足を除く)
②経営計画におけるこれまでの財政見通しと結果に対する見解
③バス事業を財政収支のみで判断することの限界
答弁:令和3年度当時と比べますと、今日の経営環境は、物価の高騰や人件費の増による負担増等、大きく変化しているものと認識しております。
これまでの経営計画の財政見通しでは、軌道事業との合計での収支均衡を目指してまいりましたが、物価の高騰や人件費の増等の影響により、目標達成が厳しい状況でございます。
平成30年に、交通事業経営審議会において、バス事業は事業規模の縮小によって経営改善を図るべき、との方針が示され、民間事業者への路線移譲を実施したところですが、今回、路線バスの運転士不足の課題に直面する中で、同審議会から、市民生活を支える路線バスの維持存続の方針が示されたことから、引き続き経営改善を目指しながら、運転士の確保をはじめ、路線バスの維持に向けた取組に注力してまいりたいと考えております。
これまでの財政見通しでは収支の改善を図ることができなかったことからも、収支の面から交通局経営を論じることの限界を感じます。
これまでの路線廃止や減便による利便性の低下等、交通弱者の拡大等の課題は、「あいばす」や乗合タクシーの導入で克服されているのでしょうか。どのような対策をとってきたのでしょうか。企画財政局長に伺いました。
④路線廃止や減便による利便性の低下等交通弱者の拡大に対する対策と見解
答弁:バス路線が廃止された地域においては、これまで、代替バスの運行や乗合タクシーの導入など、市民の日常生活における移動手段の確保に努めてきておりますが、相次ぐ減便や最終便の繰上げにより、利便性が低下している地域があるところでございます。
バス路線廃止に伴い、種々の施策を導入したけれども利便性が低下している地域が存在しているようです。
これまで、縷々伺ってまいりましたが、交通局におけるバス事業については収益事業として捉え、議論することの限界を超えているとしか思えません。
経営努力を怠ってはならないことは言うまでもありません。可能な限り収益を上げることも求められます。しかし赤字が続くことで事業廃止となってはなりません。
超少子高齢社会の現在、市域内に交通弱者を増やしてはなりません。委託の引き戻しを見ても、民間事業者に、採算性を度外視して事業を継続することを求めることはできません。
交通弱者を救済することはむしろ交通局の使命ではないでしょうか。そう言った意味で交通局は維持存続させなければなりません。
収益性を無視すべきとは申しませんが、交通局のバス事業については、公共の福祉の観点からも交通弱者を救済できるように、今こそ、市全体の交通政策として、その位置づけと目的の大転換を図る時期にきていると考えます。
所管の企画財政局長と交通局長の見解をそれぞれうかがいました。
答弁:(企画財政局長)公共交通を取り巻く環境は、深刻な運転者不足など喫緊の課題に直面しており、市内の路線バスも減便等がなされるなど、非常に厳しい状況にあることから、公共交通ビジョン協議会において、交通事業者等との協議検討を行い、地域公共交通ネットワークの再構築を進めてまいりたいと考えております。
(交通局長)交通局は、経営審議会から示された路線バスの維持存続の方針を踏まえ、引き続き経営改善を目指しながら、公共福祉の増進のため、市民生活を支える路線バスのサービス維持を最優先に考えた運営を行っていく考えであることを公共交通ビジョン協議会にお伝えし、考え方の共有を図りながら対応してまいりたいと考えております。
企画財政局長よりご答弁いただきましたが、公共の福祉の観点で「あいばす」も運行されています。交通局のバス事業も含めて捉えるべきと考えます。一方、交通局長からは、公共福祉の推進の観点も明確にお答えいただきました。
早急に庁内での整理を行われ、位置づけや目的の転換が図られるよう、強く要請いたしました。
そして、一連の質問の最後に、市長に伺いました。
去る11月24日、市長は、「進め!鹿児島市。時代に、未来に、選ばれるまちへ」のキャッチコピーを掲げ、見事2期目の再選を果たされました。
選ばれるまちの姿として、交通弱者を生み出さないことも都市の魅力であり、バスは必須のアイテムであると考えますが、本市における交通政策の全体を俯瞰して、今後、どのようなまちを創造されるのか見解をお聞かせください。
答弁:私は、公共交通につきましては、日常の移動手段として欠かせない存在であり、地域社会の活性化を図るためにも、また、すべての方々が、住みたい、訪れたいと感じる「選ばれるまち」を実現するためにも、これを維持・確保していくことは極めて重要な課題であると考えております。
このため、交通事業者等と連携し、バス、タクシー、市電等、公共交通手段の総合的な対策を講じながら、地域公共交通ネットワークの再構築を進めることにより、市民の足を守る、持続可能な公共交通ネットワークの形成に取り組んでまいりたいと考えております。
市民の足を守る姿勢を明確にされました。その中核はバス事業です。
市長の姿勢を貫くとすれば、やはりバス事業の目的や位置づけ、役割を改めて明らかにすべきと考えます。関係所管とも協議されますよう要請いたしました。
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私自身、議会へ行くときは市バス&市電(もしくは子を保育園に送ったついでに夫に車で送ってもらう)で、帰るときはバスのみor市電&市バスorJR(時間帯による)を利用しています。
ここ数年は子がいるので夜に飲みに行くこと自体があまりありませんが、21時を過ぎると天文館を出て最寄りのバス停に着くバスは無くなるので、鹿児島中央駅まで行ってJRに乗るしかありません。←タクシーを使うには距離が・・・(-_-;)
昼間にバスに乗ると、乗客が私を含めて数人しかいないこともあり、「これで減便するなというのも酷な話で・・・」と思ったり。
公共交通ビジョン協議会での議論も注視してまいります。
→鹿児島市公共交通ビジョン協議会(令和6年度から)|鹿児島市
~おまけ~
先日、市電に乗っていたら、見知らぬ70代女性に話しかけられ、谷山電停までずっと話をしていました。(※こういうことはよくある)
いろいろな話をする中で、「この人は何をしている人なんだろう?」と思われてるなぁと思いつつ、名前と職業はあえて言う必要がないと感じたので触れず。(※基本的に言わない、そしてバレない←知名度なし💧反省)
ちょっと曇りがちだったお顔が、最後は明るくなって、「いきなり話しかけて、いろいろ話しちゃったわね。ありがとうね!」と市電を降りていかれたので良かったです。
公共交通を利用すると、自動車で移動するより時間がかかる場合が多いですが、こうした出会いがあったり、苦手な運転をする必要がなかったりすることからよく利用しています。
減便しないで・・・(個人の切なる想い)
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