合原ちひろの絵日記@鹿児島市

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桜島火山防災研究所(仮称)について(代表質疑より)

令和6年第1回定例会における、市民連合の代表質疑の内容をブログでも少しずつ紹介しています。今回は、桜島火山防災研究所(仮称)についてです。

鹿児島市は、令和2年度、3年度に桜島火山防災研究所設置検討事業を実施し、設置見送りとの結論を出しましたが、その後、令和5年10月に火山防災を専門的に研究する組織の設置等について、庁内の検討委員会による検討を再開しました。

京都大学火山活動研究センターによると、姶良カルデラ下のマグマの蓄積は2020年代には大正噴火が起こる前のレベルまでほぼ戻ることが推定され、大正噴火級の大規模噴火に対する警戒を要する時期に入っているとのことですので、市民の安心安全のためにも実効性のあるものにしていかなければならないとの思いから、以下伺いました。

桜島桜島と親子(苦笑)。手持ちの桜島の写真があまりなくて(-_-;)

気を取り直して、以下質疑と答弁です。

(1)令和3年度の検討中止の判断と検討再開の背景と理由をお聞かせください。

(答弁)→桜島火山防災研究所については、令和3年度までの検討において「桜島の火山防災を専門的に研究する必要性は高い」とされたものの、大規模噴火は広域にわたり影響を及ぼすことが想定されることから、当面は、桜島火山防災協議会において、広域的な観点からの議論を進めることとし、4年度に設置するという結論には至らなかったものでございます。

その後、4年7月の噴火警戒レベル5への引上げ対応を通じて、大規模噴火時における市街地側への避難情報発令に係る課題をあらためて確認したことや、

5年6月の活火山法改正などの状況の変化を受けて外部有識者へ意見聴取を行い、本市が火山専門家を登用し、複数人体制で火山防災研究を行う必要性についてのご意見が寄せられたことを踏まえ、検討を再開したものでございます。

(2)本市が火山防災を専門的に研究する必要性について国や気象庁当との関係性を踏まえてお聞かせください。

(答弁)→大規模噴火が発生した場合、風向きによっては市街地側にも大量の軽石火山灰が硬化し、甚大な被害が出ることが想定されますが、

市街地側に対しては、気象庁から噴火警報等は発表されず、国の広域降灰対策は、桜島と特性の異なる富士山の宝永噴火をモデルに検討中で、ガイドライン策定等の見通しは立っておりません。

また、気象台は火山の監視・観測や噴火警報の発表を、大学は火山の観測や火山活動に関する研究を行う機関であり、防災対策を中心とした研究はほとんどなされていないことなどを踏まえると、

市街地側住民に対する避難情報発令のタイミングや避難対象地域を本市が的確に判断するためには、桜島の特性を踏まえた、本市独自の防災対策の研究を行う必要があると考えております。

(3)桜島火山防災研究所(仮称)の設置場所についての検討の経過をお聞かせください。

(答弁)→設置場所については、検討委員会において、市街地側と桜島島内の比較検討を行い、京都大学火山活動研究センターや住民等との緊密な連携、迅速な現場確認ができることなどから、島内が望ましいとされたものです。

(4)これまでも、桜島火山防災については、県が事務局となる桜島火山防災協議会において様々な検討をされ、垂水市霧島市、鹿屋市と桜島火山活動対策協議会で桜島火山対策に関する要望書を出す等なされてきました。

どのような協議経過を経て、本市単独での設置にいたったのか。その経過と理由をお聞かせください。

(答弁)→設置にいたった経過等については、令和3年度より桜島火山防災協議会としての広域避難を含む基本的な避難の考え方を定める避難計画策定に向けて、県及び関係市と協議を行ってまいりましたが、

一方で、「大正噴火級の大規模噴火に対する警戒を要する時期に入った」と言われる桜島においては、早急に大規模噴火に備える必要があることから本市単独での設置が必要であると判断したところでございます。

なお、研究所設置について、関係市からも賛意を得ており、引き続き、国等への要望活動などに連携して取り組んでまいります。

(5)今後のスケジュールについてお聞かせください。

(答弁)→今後のスケジュールについては、6年度は準備期間とし、火山専門家を登用して、研究計画の策定や体制の検討等を行い、7年度に研究所を本庁舎内に設置し、運用を開始する予定でございます。

鹿児島市火山防災トップシティ構想
鹿児島市火山防災トップシティ構想|鹿児島市

上のリンク先をご覧いただければ分かることですが、鹿児島市はこれまでも「大規模噴火でも『犠牲者ゼロ』を目指す防災対策」、「次世代に『つなぐ』火山防災教育」、「『鹿児島モデル』による世界貢献」の3つの取組みの柱を設定した「火山防災トップシティ構想」を策定し、各種施策に取り組んできました。

桜島火山防災研究所設置に向けた準備検討の中で、これらを更に充実させ、鹿児島市街地側の市民の皆様にも桜島に関する理解と大規模噴火に備えた対策を深めていただけるような取組が図られるよう要望して、この項目の質問を終えました。

市街地側にお住まいの皆様、「自分たちは大丈夫♪」なんて思いすぎず、桜島の大規模噴火について知り、備えてください!

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